九年母会の特徴は二つあります。先ず一つ目は俳句の水準の高さです。播水は虚子の直弟子であり、虚子の教えを頑なに守って九年母会の俳句の指導に当たりました。虚子が提唱した客観写生と平明余情という作句理念を高く掲げ、今で言うぶれない指導を徹底したのです。いささかも自分の考えは挟まず、虚子の教えをそのまま弟子に伝えました。
播水を継いだ哲也の時代は、その前半は播水の指導方針を堅固に守り、忠実に指導をされましたが、後半は2度に渡る脳梗塞の影響により、雑詠選の80%を4句入選が占めるなど、指導が甘くなりました。大幅な字余りの句も入選していましたが、病の成せることでした。そして、ご自分の判断で、その選を私に託されたのです。
「九年母は難しい」という評判をしばしば耳にします。確かに使われている漢字や表現が難しい。しかしそれは、播水・哲也という医師俳人が、虚子の教えを忠実に守って来たことによるものであり、時代に迎合した句を俳句と認めないのが九年母会のバックボーンであり、その事はこれからも変わりません。
二つ目の特徴は、団結力の強さです。播水の頃にうら若き乙女や青年であった会員の皆さんが、90歳を超えた今でも、九年会員として地方組織をしっかり固めていて下さる。九年母誌の毎月の、献呈先を除いた発行部数と雑詠投句者との間に100名の差がある。ということは、雑詠には投句していないが楽しみに読んでおられる方が100名おられる事になる。こんな事は、新興の結社では考えられないことです。
摂津・播磨・淡路という堅固な地盤を持つ九年母会は、たとえ俳句の世界に何が起ころうとも、地元にしっかり根を下ろして、伝統俳句の文化を守って行きます。先人たちが続けて来られた95年の歴史を絶やしてはならないのです。
2019年10月1日火曜日
句碑の建立
昨年1月15日に、淡路島の大竹石材店を訪問し、「九年母」1100号記念句碑の制作をお願いしてから1年10カ月。愛媛県西条市の石材店での石の選択、俳句の揮毫などの作業を進めて来ましたが、この程文字の彫刻が終わり、近日中に、摩耶山天上寺の境内に設置される予定です。14日には伊藤浄厳貫主に開眼法要をお願いしており、法要後の本部吟行を兼ねた記念句会には約70名の方の参加申し込みを頂いています。
句碑は、天上寺の金堂脇に、「九年母」750号記念句碑と並んで建立されますが、境内の整備計画に従って、将来的には別の所に移設される予定ですが、余りに大きな石であり、移動時のお寺のご苦労が察せられます。境内には他にも播水・大馬・蕪村・青畝・多佳子・紫峡・弘子等の句碑も有り、九年母会としては3基目の句碑となります。
14日の開眼法要に続いて30日には、近隣の神戸市立自然の家にて第28回摩耶山俳句大会が開催されます。もう既に境内には藤袴が咲き始め、渡りをする蝶「アサギマダラ」が飛来しているとの事。アサギマダラに併せて新句碑も詠んで頂き、九年母1100号刊行記念事業の完成を祝って頂きたいと思います。次は5年後の100周年記念行事です。
句碑は、天上寺の金堂脇に、「九年母」750号記念句碑と並んで建立されますが、境内の整備計画に従って、将来的には別の所に移設される予定ですが、余りに大きな石であり、移動時のお寺のご苦労が察せられます。境内には他にも播水・大馬・蕪村・青畝・多佳子・紫峡・弘子等の句碑も有り、九年母会としては3基目の句碑となります。
14日の開眼法要に続いて30日には、近隣の神戸市立自然の家にて第28回摩耶山俳句大会が開催されます。もう既に境内には藤袴が咲き始め、渡りをする蝶「アサギマダラ」が飛来しているとの事。アサギマダラに併せて新句碑も詠んで頂き、九年母1100号刊行記念事業の完成を祝って頂きたいと思います。次は5年後の100周年記念行事です。
2019年9月2日月曜日
九年母賞の募集について
第4回九年母賞の締め切りの九月末日が近づいて来ました。4月号に募集要項を掲載し、同月から受付が始まりました。もう既に投稿された方も多いと思いますが、未だの方はそろそろ纏めに入って下さい。纏める時の注意事項です。漢字を間違えていないか。送り仮名は旧仮名遣いになっているか。季重なりになっていないか。字余り・字足らずになっていないか。いずれも基礎的な問題です。しかしこの基礎がしっかり出来ていないと、どんなに良い句であっても認めて貰えません。同じ土俵にすら上がれません。特に、不注意なミスは後で悔やむことになります。
播水先生の頃は、余り文法をうるさく言わなかったのか、長閑なものでした。俳句に文法なし、と言い切る人も有りました。伝統俳句協会が未だ設立されておらず、伝統的な表現について無頓着な時代だったのでしょう。哲也先生の頃には伝統俳句協会は設立されていましたが、先生が何もおっしゃらない事をいいことに、基礎を学ばず我流で俳句を詠む人が多かったのです。私は伝統俳句協会で花鳥諷詠学びました。そしてその成果を、六甲道勤労市民センターや葺合文化センターの俳句講座でお教えしました。従って、私の講座に居られた方は、文語文法が正しく出来ます。
作品が出来上がったら、何度も読み返して、ミスがないかチェックしましょう。文法に詳しい方にチェックしてもらっても良いでしょう。鶯が鴬となっていたり、蛍が螢になっていたりと、歳時記を確認すれば分かりそうなミスがあると、選者は惜しいなと思いつつも採ることをためらいます。俳句は何でもあり、では有りません。厳しい約束事を守りながら、その約束を踏まえて俳句を詠むことが出来れば、より高い満足感が得られることでしょう。皆様の九年母賞への投句をお待ちしています。
播水先生の頃は、余り文法をうるさく言わなかったのか、長閑なものでした。俳句に文法なし、と言い切る人も有りました。伝統俳句協会が未だ設立されておらず、伝統的な表現について無頓着な時代だったのでしょう。哲也先生の頃には伝統俳句協会は設立されていましたが、先生が何もおっしゃらない事をいいことに、基礎を学ばず我流で俳句を詠む人が多かったのです。私は伝統俳句協会で花鳥諷詠学びました。そしてその成果を、六甲道勤労市民センターや葺合文化センターの俳句講座でお教えしました。従って、私の講座に居られた方は、文語文法が正しく出来ます。
作品が出来上がったら、何度も読み返して、ミスがないかチェックしましょう。文法に詳しい方にチェックしてもらっても良いでしょう。鶯が鴬となっていたり、蛍が螢になっていたりと、歳時記を確認すれば分かりそうなミスがあると、選者は惜しいなと思いつつも採ることをためらいます。俳句は何でもあり、では有りません。厳しい約束事を守りながら、その約束を踏まえて俳句を詠むことが出来れば、より高い満足感が得られることでしょう。皆様の九年母賞への投句をお待ちしています。
2019年8月2日金曜日
全国大会の選
大阪市天王寺区にありホテル「アウィーナ大阪」で、来る9月14・15の両日、日本伝統俳句協会の全国大会が開催されます。「九年母」の主宰としては初めて、この大会の事前応募句の選者を拝命しました。
そして7月24日、応募句をコピーした資料が届きました。その投句数をみて驚きました。何と7490句です。それを一週間で選をせよとのこと。選句数は、特選3句、入選17句の合計20句。当選確率は、最近の銀行の預金金利並みです。一週間ということは毎日のノルマが1000句。九年母誌の雑詠欄の総入選句数が約1150句ですから、7日間、毎日九年母誌の雑詠欄を全部読む事になる訳です。
濃い字、薄い字、誤字、脱字。行書や草書や走り書き。実に様々な俳句が毎日千句、私の目の前を通り過ぎて行きました。その中でも、升目を丁寧に心を込めて埋めてある句を拝見すると、自ずと丁寧に味わいたくなりました。下手な字や個性の強い字でも、一生懸命書いておられる句には、親近感が湧きます。乱雑な字や升目を無視した乱暴な書き方の句には、あまり良い句が無かったように思います。俳句は心。選をしながら、心の美しい人の句は美しい、と感じました。
予定通り一週間で選を終えましたが、良い勉強をさせて頂きました。
そして7月24日、応募句をコピーした資料が届きました。その投句数をみて驚きました。何と7490句です。それを一週間で選をせよとのこと。選句数は、特選3句、入選17句の合計20句。当選確率は、最近の銀行の預金金利並みです。一週間ということは毎日のノルマが1000句。九年母誌の雑詠欄の総入選句数が約1150句ですから、7日間、毎日九年母誌の雑詠欄を全部読む事になる訳です。
濃い字、薄い字、誤字、脱字。行書や草書や走り書き。実に様々な俳句が毎日千句、私の目の前を通り過ぎて行きました。その中でも、升目を丁寧に心を込めて埋めてある句を拝見すると、自ずと丁寧に味わいたくなりました。下手な字や個性の強い字でも、一生懸命書いておられる句には、親近感が湧きます。乱雑な字や升目を無視した乱暴な書き方の句には、あまり良い句が無かったように思います。俳句は心。選をしながら、心の美しい人の句は美しい、と感じました。
予定通り一週間で選を終えましたが、良い勉強をさせて頂きました。
2019年7月3日水曜日
九年母1100号記念祝賀会終わる
6月30日、生田神社会館にて九年母1100号記念祝賀会が開催されました。準備委員会の皆さんが1年前から準備を進めて来られ、開催に至りました。稲畑汀子先生、稲畑廣太郎先生他の来賓のご臨席のもと、全国から参集された会員誌友110名により、手造り名の感のある会となりました。
播水著 句集「老鶯」の昭和27年の項に「8月号を以て九年母300号に達す。
『九年母の三百号の大樹かな 虚子』といふ祝句を頂く。8月31日須磨寺にて、九年母300号記念大会開催、会者400名、平安楼にて晩餐会。」という記載がありますが、昭和27年で400名が集まったというのは素晴らしい事でした。経験的には、大会参加者は会員総数の2割程度ですので、参加者が400名であれば、会員総数は2000名になります。播水先生の最盛期の会員総数は3600名と言いますから、2割として720名。想像を絶する規模の祝賀会だったことが推測されます。
今回は梅雨の時期とあって、集中豪雨による交通途絶が予想されました。警報が出た場合は中止という決断が必要になりますので、天気予報に一喜一憂する毎日でした。当日は朝から生憎の雨になりましたが、会が終わるころには、薄日が漏れて来ました。
今回のテーマは「感謝」。各支部の支部長として、90歳を超えても現役で頑張っておられる5名の方に感謝状と記念品を贈呈しました。次の方々です。
黒石 豊子 豊橋支部長
野田 節子 湖北支部長
野間田芳叢 姫路支部長
斎藤金二 広島支部長
肱岡 惠子 出水支部長
健康に留意され、これからもご活躍頂きたいと思います。
来賓の先生方の祝辞に耳を傾け、ピッコロドルチェ様によるリコーダーの演奏、
仲津英治様による記念講演、シンガーソングライターTOUMA様によるライブ、と
盛り沢山な催し物に大いに盛り上がり、次回の再会を約して定刻に散会しました。
1150号の記念祝賀会は5年後。ほぼ同じ時期に、九年母会発足100周年を迎えます。
今回は比較的句暦の浅い方々が中心になって運営して頂きましたが、経験を積む良い機会になったと思います。次なる目標に向かって進んで参りましょう。
播水著 句集「老鶯」の昭和27年の項に「8月号を以て九年母300号に達す。
『九年母の三百号の大樹かな 虚子』といふ祝句を頂く。8月31日須磨寺にて、九年母300号記念大会開催、会者400名、平安楼にて晩餐会。」という記載がありますが、昭和27年で400名が集まったというのは素晴らしい事でした。経験的には、大会参加者は会員総数の2割程度ですので、参加者が400名であれば、会員総数は2000名になります。播水先生の最盛期の会員総数は3600名と言いますから、2割として720名。想像を絶する規模の祝賀会だったことが推測されます。
今回は梅雨の時期とあって、集中豪雨による交通途絶が予想されました。警報が出た場合は中止という決断が必要になりますので、天気予報に一喜一憂する毎日でした。当日は朝から生憎の雨になりましたが、会が終わるころには、薄日が漏れて来ました。
今回のテーマは「感謝」。各支部の支部長として、90歳を超えても現役で頑張っておられる5名の方に感謝状と記念品を贈呈しました。次の方々です。
黒石 豊子 豊橋支部長
野田 節子 湖北支部長
野間田芳叢 姫路支部長
斎藤金二 広島支部長
肱岡 惠子 出水支部長
健康に留意され、これからもご活躍頂きたいと思います。
来賓の先生方の祝辞に耳を傾け、ピッコロドルチェ様によるリコーダーの演奏、
仲津英治様による記念講演、シンガーソングライターTOUMA様によるライブ、と
盛り沢山な催し物に大いに盛り上がり、次回の再会を約して定刻に散会しました。
1150号の記念祝賀会は5年後。ほぼ同じ時期に、九年母会発足100周年を迎えます。
今回は比較的句暦の浅い方々が中心になって運営して頂きましたが、経験を積む良い機会になったと思います。次なる目標に向かって進んで参りましょう。
2019年6月1日土曜日
「かつらぎ」創刊90周年記念大会に参加して
6月1日土曜日、「かつらぎ」の創刊90周年を祝う会が奈良ホテルにて開催され、会員158名、来賓34名が参加されました。私も来賓の一人としてお招きいただき、出席して来ました。ある来賓の方から、6月は「かつらぎ」に始まって「九年母」に終わりますね、と声を掛けていただきました。九年母会の祝賀会の準備は着々と進められていますが、何か参考になることは無いかと思って参加してきました。
「かつらぎ」の創始者は阿波野青畝先生ですが、俳人協会系であり、九年母会のように伝統俳句協会系ではありませんので稲畑汀子先生は来られず、主賓は現代俳句協会特別顧問の宇多喜代子先生でした。講演は「思い遣ると言う作句」と題して、俳人協会副会長の茨木和生先生がなさいました。
余興として、ある会員のお孫さんが声楽家をしておられ、ソプラノの曲を幾つか歌われましたが、なかなかに盛り上がって楽しい趣向でした。司会も素人ながら手作り感が溢れていて座が白けることも無く、アットホームな良い祝賀会でした。森田純一郎主宰のお人柄がにじみ出ている様に感じられました。
「かつらぎ」は阿波野青畝先生が、昭和4年に奈良で創刊され、今年で90周年になります。「九年母」の創刊は大正13年ですから、「かつらぎ」に比べると5年先輩に当たり、今年で95周年になります。従って5年後には100周年の祝賀会が待っているのです。1150号の記念もほぼ同時期に来ますので、両方を兼ねた祝賀会にしたいと思っていますが、大掛りな準備になりそうです。
11月30日には「円虹」の300号記念祝賀会が、12月8日には「田鶴」600号の記念祝賀会が予定され、来賓としてご招待を頂いております。お互いに協力し合って、俳句文化の向上に努めていきたいと思っています。
「かつらぎ」の創始者は阿波野青畝先生ですが、俳人協会系であり、九年母会のように伝統俳句協会系ではありませんので稲畑汀子先生は来られず、主賓は現代俳句協会特別顧問の宇多喜代子先生でした。講演は「思い遣ると言う作句」と題して、俳人協会副会長の茨木和生先生がなさいました。
余興として、ある会員のお孫さんが声楽家をしておられ、ソプラノの曲を幾つか歌われましたが、なかなかに盛り上がって楽しい趣向でした。司会も素人ながら手作り感が溢れていて座が白けることも無く、アットホームな良い祝賀会でした。森田純一郎主宰のお人柄がにじみ出ている様に感じられました。
「かつらぎ」は阿波野青畝先生が、昭和4年に奈良で創刊され、今年で90周年になります。「九年母」の創刊は大正13年ですから、「かつらぎ」に比べると5年先輩に当たり、今年で95周年になります。従って5年後には100周年の祝賀会が待っているのです。1150号の記念もほぼ同時期に来ますので、両方を兼ねた祝賀会にしたいと思っていますが、大掛りな準備になりそうです。
11月30日には「円虹」の300号記念祝賀会が、12月8日には「田鶴」600号の記念祝賀会が予定され、来賓としてご招待を頂いております。お互いに協力し合って、俳句文化の向上に努めていきたいと思っています。
2019年5月2日木曜日
1100号記念祝賀会を控えて
平成の時代が終わり、令和の御代となりました。新しい天皇が即位され、連休明けから新しい文化が始まります。私達九年母会も、新しい時代に合うように変わって行かねばなりません。同人会改革、財政改革など、組織強化の施策を次々と打って行きたいと思っています。
さて、ご高承の通り来る6月30日に、神戸市の生田神社会館にて、俳誌「九年母」の1100号の刊行記念祝賀会を開催いたします。運営委員の皆さんのご尽力により、その準備が着々と進んでいます。記念品のクリアファイルの印刷も見事に仕上がりました。既に各地の会員の皆様から参加申し込みを頂いていますが、支部や句会によって、参加者が極端に少ない所も有ります。全国各地から90歳を超えた先輩方も来られるのです。各支部や句会の幹事や責任者の方は、今一度参加申し込みの状況をご確認いただき、申し込みを失念しておられる方や、句暦が新しいことなどで参加をためらっておられる方には、参加を勧奨して頂くよう、要請致します。
最近入会された会員の皆さんも、九年母会という俳句結社の持つ雰囲気を掴むことができ、日頃誌上で目にする先輩方に逢うことも出来ます。句暦が浅いことなど、何の問題もありません。俳句の世界では、年齢や職業、性別、宗教、政治的な立場などは一切関係が無く、全く平等な世界です。永年俳句の世界に居るからと言って尊い訳ではなく、句暦が短いからと言って卑下することもありません。遠慮は要りませんので、是非ご参加下さい。新しい会員の皆さんのご参加を期待しています。
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