2016年4月7日木曜日

本場所としての句会

九年母会では毎月一回、本部例会と称する句会を開催している。従来は20名前後の参加者であったが、ここ数ヶ月来参加者が急増し、今回は37名となった。従来殆どなかった大阪方面からの参加者が増えて来ているのも、その一因である。来月は更に数名増えるとの事も聞いている。来月から、婦人会館から新長田勤労市民センターに移転し、更に広い会場で勉強することになる。

九年母会には全国各地に支部がある。相撲界で言えば、親方が運営し弟子を育てている相撲部屋である。相撲取りは、各自が所属する相撲部屋で血の滲むような猛稽古に明け暮れる。そして初場所や大阪場所など年6回の本場所で、その稽古の成果を問うのである。この本場所に当たるのが、九年母会では本部例会である。

本部例会では兼題で詠む。当季雑詠の句会もあるが、これでは自分の好きな季題ばかり詠む事になる。国語の好きな子は国語ばかり勉強する。理科が好きな子は理科ばかりを学ぶ。これでは偏った学力になってしまう。押し出しが好きだからと言って、これでしか勝てないようでは、本場所では戦えない。これと同じことだ。そのためには、苦手な季題についても勉強することが大切だ。

本部例会では、その日の兼題について時間を掛けて説明をしている。今回は「日永」と「草餅」であったが、素晴らしい俳句が発表された。講評で私は、日永と遅日との違いや、草餅・蕨餅・鶯餅・桜餅・椿餅という、餅に関する4月の季題の詠み方などについてお話しをした。

新体制下での本部例会は、誰でも自由に参加できる勉強会として位置づけられている。ベテランの皆さんの胸を借るつもりで挑戦しに来て頂きたい。折角の勉強の場である。年一回でも良いから、遠方の方も参加して欲しい。

        心地良き疲れ日永の鍬洗ふ     伸一路