新型コロナウイルスの感染が猛威を振るっています。お盆の帰省や夏休みのレジャーで感染が全国に広がり、衰えを知りません。句会や吟行が中止になったので俳句が詠めないという嘆きを、毎日のように耳にします。居籠りやコロナ籠りという言葉も聞こえて来ます。どうしたらよいでしょう。私は、折角時間が有るのだから、俳句の名著と呼ばれる本を読んだらどうかと思います。
先ず第一に挙げられる名著は、高濱虚子著「虚子俳話」です。昭和38年、俳誌「ホトトギス」の800号記念として刊行された俳論集で、虚子の俳句に対する考え方が、余すところなく述べられています。以来、様々な形で版が重ねられ、伝統俳句を学ぶ者の、初心者には入門書となり、ベテラン俳人には心の拠り所として愛読されています。
「虚子俳話」を読み終えたら俳誌「九年母」育ての親である五十嵐播水の著作を読みましょう。私の手許にある著作を列記しておきます。
句集 「月魄」昭和15年 「石蕗の花」昭和28年
「老鶯」昭和46年 「秋燕」昭和55年
句文集「港の四季」昭和54年
俳論集「句作雑話」昭和35年 「一頁の俳話」昭和40年
「句作春秋」昭和47年 「俳句になるまで」昭和50年
「句作随想」昭和57年
随筆集「兵庫歳時記」昭和43年 「虚子門に五十余年」昭和52年
「一老医のあしあと」昭和61年 「流るる月日」平成元年
播水の著書は全て絶版になっています。私は古書店を回ったり、先輩から頂いたりして揃えました。今の時代はインターネットの古書市場で検索が出来ますので、是非探してみて下さい。また、もしお手元に読まなくなった播水の著作があれば、譲って下さい。若い方に伝えて行きたいと思います。
居籠りの時間を有効に使いましょう。