2025年6月2日月曜日

緑の表現

 緑の草原ではなく緑の表現について考えてみたい。初夏の候となって花は葉になり、若葉は青葉に、新緑は万緑に移り変わりつつある。まさに緑の季節ではあるが、角川俳句大歳時記の「新緑」という季題を検索してみると「緑」と「緑さす」という傍題が現れる。合本角川歳時記で「新緑」を検索してみると「緑さす」とともに「緑夜」という不思議な傍題が現れる。ホトトギス俳句季題便覧では「新緑」に傍題が無い。

今度はホトトギス俳句季題便覧で「若緑」を検索してみると、春4月の季題として、「松の新芽のこと」と書いてあり、「緑立つ」「緑摘む」などの傍題が載っている。いかにも松らしい季題である。合本角川歳時記の「若緑」には「初緑」という傍題がある。

こうして見て来ると、様々な緑に関する表現があることが分かる。ホトトギス新歳時記では新緑は夏5月の題、これに対して万緑は夏6月の題になっている。様々な緑を研究して、適切に使いこなしたいものである。