2016年4月21日木曜日

象の小川

今週月曜日の朝日俳壇稲畑汀子選を見て驚いた。何と、巻頭・次席が九年母会の会員で占められているのだ。

巻頭句    清貧と云ふには遠し目刺焼く     池田雅かず
次席句    泳ぐ人溺るる人や花の海        髙田菲路 

同じ結社の方が巻頭・次席を取られたのは今まで記憶にない。多分初めてのことだろう。雅一さんは、俳号をそれまでの本名の「雅一」から「雅かず」に変えて投句されたその第一号が巻頭となったのである。
こんなことが起こるから、俳句の世界は面白い。 主宰冥利に尽きるとはこの事だ。

そのほかの親しい方も入選された。

        笹舟を象の小川に西行忌        高橋純子
        古稀にして受験の夢にうなさるる     黒田千賀子

純子さんの句の「象の小川」については、吉野町の公式ホームページに次のようにある。
  

象の小川(きさのおがわ)

象の小川(きさのおがわ)
喜佐谷の杉木立のなかを流れる渓流で、やまとの水31選のひとつ。吉野山の青根ヶ峰や水分神社の山あいに水源をもつ流れがこの川となって、吉野川に注ぎます。万葉集の歌人、大伴旅人もその清々しさを歌に詠んでいます。 



象をキサと読むのは難しいが、俳人の教養として記憶したい。