2018年10月8日月曜日

有季定型について

 当然の事ながら、俳句の大原則は有季定型である。ところが、最近雑詠蘭に投じられる句を拝見していると、この有季定型の原則が守られていない句が散見されるようになって来た。前主宰の晩年の頃は脳梗塞を二度発症された影響で、ご自分の句にも選をされる句にも、この原則が崩れることがあった。しかし、最近の雑詠欄の状況は、これとは何の関係もない筈である。前月の雑詠投句まで定型を守っておられた方が、翌月の投句で急に五句すべてが字余りになり、それが続いているケースがある。五句全てが毎月、五・七・七の音律になっている方も居られる。五句とも無季の方も有った。

 もう一度俳句の大原則を見直す必要があるように思い、今月号の随想蘭で「季重なりについて」という一文を敢えてお示しした。来月号にて、定型の音律について申し上げる予定である。

 高齢化の急速な進行の影響かも知れないが、104歳になっても見事に有季定型を守り、素晴らしい俳句を毎月投じておられる方もある。そう思うと、一概に高齢化が原因とは云えないかも知れない。効果があるかどうかは分からないが、再度見直しのつもりで、敢えて一文を呈するものである。今更何を、と思われるかも知れないが、上記の事情をご賢察願えればと思う。

 父が隠居処として建てた滋賀県東近江市の家が颱風21号にて被災し、処分することになった。その手続きや家具の処分等に時間を取られ、更新が遅くなったことをお詫び申し上げる。