2017年1月3日火曜日

賀状を拝見して

新年おめでとうございます
会員の皆様には、新たな決意を抱いて、新年をお迎えのことと思います。

さて今年は、前主宰が昨年御隠れになられた事もあってか、例年に倍して賀状を頂きました。頂きましたすべての方にお返しするには用意した賀状400枚では足りず、大勢の方には申し訳ない事になってしまいましたが、お気持ちはしっかり頂きました。有難うございました。

さて、頂きました賀状で気になったことは、80台の方に多かったのですが、「もう10年早く、先生にお会いしていたら、どんなに上手になっていたことか。悔やまれてなりません」というご挨拶でした。「この10年間、何の勉強をして来たのか、と思う。句会で選んで頂いた句を雑詠選に投句して4句採って頂き、それで満足して、それでよいのだと思っていた」と私に洩らされる方が沢山居られます。

天下泰平の御代が長らく続きましたが、昨年、伝統俳句教の教えを奉じる黒船が来航、天下に緊張が走りました。そして、いち早く伝統俳句の教えを理解し、帰依し、悟った方々が、様々な機会で素晴らしい成績を上げられ、伝統俳句教の素晴らしさを示されました。受賞者の半数が当会の会員という事も、少なくなかったのです。年末には若い方々の、大活躍が伝えられました。間も無くその内容が明らかになりますが、これらは九年母の輝かしい未来を暗示するものであると確信しています。

賀状で、素晴らしいお句を拝見しました。夫々の句に、作者の決意が籠っていました。賀状の句とは、この一年の決意を述べるものだ、と思います。私は次の句を、賀状にしたためました。

        大らかに明るく詠めと初御空    伸一路

この句は、私が信奉します虚子の、次の句の影響を受けたものです。

        元日や句は須らく大らかに      虚子

初御空を見上げ、虚子への存問として浮かんだ句です。明るく、は哲也師の教えです。二人の恩師の教えを胸に、この一年、句に向かいます。