2021年4月7日水曜日

囀り

  朝早く起きてベランダに出たところ、近くの森から「キョロン・キョロン」という声が聞こえて来ました。これはアカハラというツグミの仲間の囀りです。かつて戸隠の森林植物園へ探鳥に行った時、夜明け前の真っ暗闇の中で聞いた声です。良く聞いてみると「キョロン・キョロン、ツリリ」と鳴きます。森閑とした漆黒の森の中で、この声が木から木へと移動して行くのです。ツグミの仲間は美声の持ち主が多く、アカハラやクロツグミの声が広辞苑の音声データに入っていますので聞いてみて下さい。共に夏鳥として南の国から渡って来ます。今朝聞いた声の主は、九州、四国、淡路島と渡って来た個体かも知れません。信州の戸隠へ向かう途中、芦屋に立ち寄ってくれたのでしょう。

 シジュウカラが木の枝で「ツツピー・ツツピー・ツツピー」と尻上がりに囀ります。木の天辺で明るいレンガ色の小鳥が「一筆啓上 仕り候」と鳴きます。ホオジロです。ウグイスは「法・法華経」と説教し、サンコウチョウは「月日星ホイホイホイ」と囀ります。ツバメは「土喰て虫喰て 渋うい」と電線に止まって嘆きます。

 4〜5月は様々な夏鳥が囀ります。俳句は花鳥諷詠。鳥を知らないで俳句は語れません。囀りを覚えて鳥の名前を覚えるのが一番効果的です。この機会に鳥の名と鳴き声を覚えましょう。