2021年3月2日火曜日

季題と歳時記

  雑詠投句の選や句会の後日選などを拝見していると、今までに見たことが無い季語・季題にお目に掛かることがあります。最近では「氷面鏡」「年の朝」「年納め」などを季題として用いた句が有りました。早速、 愛用の「ホトトギス新歳時記」を繰ってみましたが、見当たりません。掲載している季題の数がホトトギス新歳時記より多い角川合本歳時記や角川大歳時記を調べましたが見当たりません。それならばと、私が持っている中では最大の講談社版カラー図説日本大歳時記に当たりましたが、やはり見当たりません。水原秋櫻子篇の現代俳句歳時記にも有りませんでした。

季題というものは、自分の想いを読者に伝えるための媒体として、チャンネルとして使うものであり、読者がその季題を知らないと、全く役に立たないものです。そのために、伝統俳句を志向する九年母俳人の多くは、共通項が掲載されているホトトギス新歳時記を使っています。この歳時記に無い場合は、私は角川合本歳時記や角川大歳時記で補強します。さらに前述の日本大歳時記を併用して、雑詠選や後日選に対処しています。

従って、これらの歳時記に載っていない季題については対応できません。余り有名でない出版社が出している歳時記や、ローカルな季語を季題として扱っている地域的な歳時記などはは、私の手許に無いので分かりません。スマホで検索して有ればまだしも、これにすら出て来ない季語を理解せよと言われても無理な話です。

このような訳で、九年母俳人の皆さんは、ホトトギス新歳時記と角川の両歳時記を基準にして作句されるのが良いのではと思います。そうすれば、共通の言語で分かり合えます。