2023年4月4日火曜日

自信を持とう

4月3日、大阪の住吉大社にて恒例の松苗神事 が斎行されました。午前11時から第一本宮に、氏子の代表者と献詠選者を代表して私と古賀しぐれさん、入選された皆さんが昇殿。今回は、高野山の三葉松の若木を境内に植樹された高野山金剛峰寺の貫長猊下も賓客として昇殿されました。神前での神武(こうたけ)宮司の祝詞奏上に続いて神楽女による白拍子の舞や神楽舞が奉仕されました。続いて順次玉串を奉奠した後、若い神職により入選句が朗詠され、入選者一同、大いに面目を施しました。その後、境内に設えてある植樹斎場で二本の松の若木の根元に順次砂をかけて神事が終わりました。

神武天皇陵遥拝所に移って同天皇の生誕日を祝う祝詞が上げられた後、献詠の関係者は境内にある結婚式場「吉祥殿」に移動し、宮司から表彰を受けました。その後3年振りとなる直会に臨み、神宮直属のシェフによる豪華な食事と美酒を堪能しました。

ところで今回の松苗神事献詠俳句では、九年母会からは5名の方が入選されました。他の結社が1~2名であることからすると、入選者の数の多さが際立っています。直会の際も、6人掛けの丸テーブルが私を含めて全員九年母会員でした。それが美酒とおいしい 食事で大いに盛り上がっていましたので、他の結社の方はさぞかし驚かれたと思います。まさに九年母恐るべし、という光景でした。因みに、美酒は「住吉」という銘柄の山形県のお酒でした。そこへ片岡橙更編集長から、令和3年度の花鳥諷詠賞を受賞したという報告が入ったものですから、さらに大盛り上がりとなりました。

自宅へ帰って開いた「花鳥諷詠」4月号で、岩水ひとみさんが伝統俳句協会賞の最終選考16名に残られたという記事が載っていました。鎌ヶ谷市に本拠がある百鳥俳句会(大串 章主宰)の「百鳥」4月号の『現代俳句月評』の欄には、私の句と並んで稲谷有記さんの句が採り上げられ、句評を頂きました。

九年母会は、播水の頃は全国屈指の会員数を誇る大結社でしたが、哲也時代には先生のご病気の影響もあって徐々に自信を無くし、しょんぼりとした結社になってしまいました。しかし、ようやくここに来て「九年母さん、凄いね」と評される結社に回復して来ました。回復の原因は会員の皆さんが、虚子の俳句理念である「花鳥諷詠」を正しく理解して、汀子先生の教えに従って俳句を詠むようになったことだと確信しています。「花鳥諷詠」に依れば全国のどこに出しても恥ずかしくない俳句が詠めます。

世間での九年母会の評価は確実に上がって来ています。かつてある方が、九年母会員であることが恥ずかしい時代があった、と述べられたことがありましたが、もうそんなことはありません。自信をもって、俳句の大道を胸を張って歩きましょう。