2024年4月4日木曜日

独学の弊害

 参加できる句会が近くに無いということで一人で俳句を学んでおられる方は、九年母会全体でもかなりの数になる。 九年母誌だけを頼りに学んでおられる方も多い。しかし、独学では十分な勉強ができない。季題の解釈も独り合点や独り善がりになり易い。客観的に自分の作品を見ることができないので、良いのか悪いのかも分からない。従って進歩も遅くなる。

 俳句は古くから座の文芸と言われる。会員が一所に集まって(=会衆)、お互いの作品を発表し合い、選をし合って学ぶ。句会で回覧される清記を読むことによって、季題の解釈が広くなり深くなる。会衆の批評や意見を聞くことによって、新たな気付きが生まれる。この様に、会衆と一座することによって句作や選句の力が培われる。

 居住地域によってこの様な機会に恵まれない方も多いが、添削制度やネット句会などを活用すれば、ある程度改善できる。それに加えて、本部主催の句会や吟行に頑張って出てみるとか、九年母誌の句会報欄を参照して自宅の近くで開催される吟行会に飛び入り参加するなど、やる気があればチャンスは与えられる。

 俳句は座の文芸だということを忘れず、独学の弊に陥らないように考えていただきたい。