2020年5月6日水曜日

哲也忌

 この5月6日は、前主宰五十嵐哲也先生の、4回目の命日です。例年のように神戸の須磨寺にて、播水・哲也両先生の追悼句会を催す予定で準備を進めて参りましたが、突如降って湧いた新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、中止のやむなきに至りました。まことに残念です。この事情は、医師であられた両先生にはご理解頂けるかと思いますが、来年は追悼会を開催したいと思っています。それまでにコロナ禍が収まっているように祈りたいものです。

 ご存じのように五十嵐哲也先生は、故五十嵐播水元主宰のご長男であられ、平成12年4月、播水先生ご逝去を受けて、俳誌九年母の第4代目の主宰に就任されました。阪神淡路大震災の影響により会員が大幅に減少し、播水時代の会の大黒柱が相次いで亡くなって行く中で、会の経営に随分苦労されました。平成27年3月、「九年母」1050号記念式典にて私に主宰を譲られ、名誉主宰となられましたが、その時の安堵の笑顔を今でもはっきりと覚えています。

 翌平成28年2月、事態が急変しました。洲本市で開催された永田青嵐顕彰全国俳句大会の表彰式の後の懇親会にて、食事中に食物を喉に詰められ、救急搬送されました。そして意識の戻らぬまま、5月6日午前2時31分、低酸素脳症により87歳の人生を閉じられたのです。大会当日、近くの食堂でご一緒した昼食と、杖をついて懇親会場に向かわれるお姿が最後の思い出となりました。
 
 少子高齢化の影響で、会の経営は厳しさを増しています。加えてコロナ禍による会費収入の減少が、これから重くのしかかって来るでしょうが、ともあれ九年母会は健全に運営されています。先生には、4年後の創刊100周年に向かって会員が一致協力して進んでゆく姿を、高いところからご覧頂きたいと思います。
 御魂の安らかならんことをお祈りしつつ、合掌。     
                              主宰 小杉伸一路


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