2022年4月3日日曜日

句集を編む

 平成13年9月、血液の癌で緊急入院した私は、治療目標を決める主治医との話し合いの中で、もし病気が治って社会に戻れたら①俳句の楽しさを世の中に伝える仕事をする、②私が生きた証として句集を出す、この二つを目標に治療に臨みたいと申し出ました。当時は、血液の癌というと不治の病と云う風潮がありました。

主治医の治療が功を奏し寛解を得て退院、早速句集の編纂に取り掛かりました。5年後の生存率が50%と言われていましたので、これが私の最初で最後の句集になるかも、と思いながら作業を進めました。運よく再発も無く20年が経過し、句集も3冊目となりました。

現在、九年母同人会が句集の編纂を支援する業務を推進しており、既に2件の句集が刊行されています。同人会では、何人かの方に意向をお聞きしているようですが、高齢になったので句集を作っても贈る先が無いというお答えが多いように聞いています。

句集とは、作者の俳句のその時点での到達点を示すとともに、その方が生きておられた証拠を残すことでもあり、遺産という意味でも価値のあることです。会員の高齢化が進む中でこのような事業を展開する意味は、まさにそこにあるのです。句集が出来上がったら、若い人たちにお贈り下さい。大きな目で見れば、九年母の財産が受け継がれていくことになります。同人会でお手伝いしますので、お元気な間に是非句集を編まれるようにお勧めします。

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