2015年10月4日日曜日

名人と共に

毎月最も緊張する句会が終わった。汀子先生宅で開かれる下萌句会である。この句会の緊張感に比べたら、本部例会・本部吟行など物の数ではない。3日前から緊張モードに入る。物を言わなくなる、部屋に籠り切りになる等、明らかに通常と違う雰囲気になる。

汀子先生のお宅まで徒歩で20分。しかし往路は家内に車で運んでもらうかバスで向かう。午後1時に邸内に入ると、先ずお庭に回り、季節の句材が有れば句作。玄関に戻り、脇の池の金魚を眺めてから入る。金魚を見ると、何故か気持ちが落ち着く。20畳ほどの広さがある応接間に入り、先着の方々に挨拶してからいつもの席に着席、2時の締め切りまで静かに推敲する。やがて20数名の方が揃う。汀子先生が入って来られたら全員起立して挨拶する。このようにして通い詰めて、もう9年になる。

今日は4名の方が欠席されたが、いつものように格調高い句会となった。5句出句の5句選で、全句入選の方が1名、4句が1名、3名が7名、2句が7名。余は1句の方。私は3句入選で、まずまずの成績だった。汀子先生の句は3句採れ、一致率指数は68.0だった。

この句会も高齢化が着実に進んできた。最高齢は大正14年生れ。昭和1桁の方も多い。名乗に手間が掛かる様になって来た。先生も耳が少し遠くなられた。それでも素晴らしい句を拝見でき、うっとりする。
       
      水近き名残りの萩を誘ふ風     仁子

今月号の「九年母」の招待席にご出句頂いた仁子(きみこ)さんのお句である。お庭の萩をお詠みになったのであろう。嘱目即吟でここまで詠めるとは、素晴らしい事である。

汀子先生に、九年母主宰を継承して6ヶ月が過ぎたが、会員諸氏のご協力で無事運営できていることを報告し、喜んで頂いた。

      投釣の糸の伸び行く秋の空    伸一路

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